スペインのTV、オーディオビジュアル市場

近年、スペインのオーディオビジュアルエンターテイメント業界は年間制作数だけでなく、品質や優れた作品という点でも、継続的で止めどない成長を遂げている。

この記事では、スペインのソフトパワー開発の重要な柱となったこの業界での進展と特徴を分析してみよう。

スペインのテレビは50年代に公共放送からスタートし、90年代に入ってようやく民間放送がが誕生した。それに伴い全国的にエンターテイメントのコンテンツ制作が始まった。一方、映画業界はそれとはかなり異なり、80年代でスペイン映画は国内市場だけでなく海外でも成功をおさめる作品が出始めた。

スペインのオーディオビジュアル制作の過去数年の数値は、この業界が好調であるとを表している。 2018年には41億1,500万€の収益を生み出し、2020年までにはオーディオビジュアル市場は国のGDPに8億1,200万€の貢献をし、18,443の雇用をもたらすとさえ予想されている。さらに言うならば、スペインはゲーム・オブ・スローンズ、ウィッチャー、ブラック・ミラーといった国際的な作品のロケ地となり、かなりの収益をあげた。

これらの数字を分析すると、フィクションドラマがGDPに最も貢献しており、2016年の収益は1億5,500万€で、現在までで直近の数値である。その前年が5,400万€であったことを考えると、2015年から2016年までの収益は何と187%も増加したことになり、この傾向はここ数年繰り返されている。収益の大部分は依然として無料のテレビから得ているものの、少しずつ有料テレビからも収益が出て、2022年にはさらに増えるであろう。

また、スペインのオーディオビジュアル作品は海外でも広く受け入れられており、その証拠にペーパー・ハウスはNetflixの国際ドラマの中で最も視聴率が高いフラッグシップとして大成功を収めた。さらに、世界で最も視聴されているNetflixドラマ20のうち、3つがスペインの作品で、前述の『ペーパー・ハウス』、『エリート』と『ケーブル・ガールズ』である。このランキングに複数のドラマがランクインしているのはスペインとアメリカだけであり、世界への影響度が読み取れる。言語を共有してコンテンツを簡単にエクスポート出来るため、これらのドラマが成功した最も重要なファクターは、お気づきのとおり、ラテンアメリカ市場である。

Netflixと同様に、インターナショナルなHBOは、ラテンアメリカで各チャンネルのトップに立つシリーズを展開し、独自の国内制作も開始した。一方、スペインのデジタルプラットフォームMovistarも、長年にわたって非常にクオリティの高い国内作品を発表しており、前例のない成功を収めている。2020年に国内のフィクションで新記録を確立したドラマLa Unidad(ラ・ウニダッ)など、ほかのヨーロッパ諸国に販売され、大成功をおさめた数多くのシリーズがある。

この業界責任者へのインタビューによると、スペインのオーディオビジュアル制作の良い点は、多大なる才能、卓越したインフラストラクチャー、そして撮影するのに日照時間が長く光があること、であった。 スペインのテレビ、特にそのテレビドラマは、今後ももっと海外へエクスポートするべきであり、スペインにとって将来性のある経済の柱となり、さらに国のイメージが改善され、国際的な立ち位置が獲得出来、それは優れたソフトパワーとなるのである。

 国際ビジネス部