スポーツに留まらない、スペイン経済を背負うラ・リーガ

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サッカー王国として知られるスペインでも、国民全員がサッカーを好きというわけではない。むしろスター選手達が受け取る破格の給料から、印象が悪いことも少なくない。「フットボールなんてなくても生活に支障はない」の皮肉が飛び交ったり、新型コロナウイルスが終息していない状態でラ・リーガ再開への反対の声が現地でも続出している。

しかし、それはスペイン経済への貢献度を承知の上での発言であろうか。

2016/17シーズン、ラ・リーガ(1部、2部を含むスペインプロリーグ)の産業は、GDP(国内総生産)の1,37%を占めた。ラ・リーガによる直接的雇用1人につき、更に4人の雇用が創出され、間接雇用も合わせると約18万5000人がサッカーに関わる仕事に従事している。これは全国労働者数の約1%に近づく数字である。

他の産業と比べると、上記のデータがどれほどスペイン経済に大きな影響をもたらしているのかが一目瞭然である。スペイン繊維産業の雇用者数の1.2倍、鉄鋼業に至っては雇用者数の2.4倍にもなる数値である。

以下が、主にラ・リーガにより派生するビジネスである。

・アウェイ観戦時の飲食・移動・宿泊:サポーターは10億7200万ユーロを使い、1部と2部のスタジアムは1050万ユーロ(約12億6千万円)の収益を上げた。

・バル観戦:12億2600万ユーロ(約1471億円)の収益を上げ、1万9415人の雇用創出。

・メディア:TV、ラジオ、新聞、ウェブメディアの視聴率/販売部数/PV数と広告収入で5億6100万ユーロ(約673億円)。

・有料TV:有料TVの会員約660万人の内、4割が「サッカーが無ければ会員にならない」とアンケートで答えている。

・サッカーベッティング:2億6100万ユーロ(約313億円)の収益、4000人以上の雇用創出

・サッカーアプリゲーム(PC、タブレット、スマホ、TVゲーム):売上金額2億1700万ユーロ(約260億円)、約5700人の雇用創出。

そしてこれらの税収は40億8900万ユーロ(約4907億円)に上る。

どの国でもプロフェッショナル化により、スポーツはビジネスになりえるが、ことスペインにおいて「ラ・リーガ」はここ数年で「It’s not football, it’s LaLiga」のキャッチフレーズを浸透させるほど世界規模のブランドと化している。スペイン経済の原動力となり、一国を背負うと言っても過言ではないサッカー。

これらを考慮すると、ラ・リーガ再開への反対の声も意見ががらっと変わってしまうのではないだろうか。

(参照:2018年PwC調査レポート(2016/17シーズン))

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