スペイン市場における日本

スペインはEUで最も規模の大きな市場の一つで、自動車、電化製品、日本酒、食品、カルチャー商品等、日本の製品が多く出回っている。スペインの日本からの輸入額は2013年以降着実に伸びており、2018年は40億ユーロを超えた。これはスペインの輸入総額の0.9%にあたり、日本は輸入総額でみたスペインの貿易相手国ランキングの16位に入っている。

日本が他国より明らかに優位に立つのがテクノロジー分野である。スペイン経済において自動車を含むテクノロジー製品の輸入はきわめてウェートが大きく、自動車、機械、機器、電気製品が日本からの輸入総額の約7割を占めている。同時に、スペインにおける日本の海外投資で柱となるのはテクノロジー分野であり、日産、ホンダ、リコー、ブリヂストン、富士通などがスペインに生産工場を置いている。

食の分野においては近年日本食が大きなブームとなっており、日本食レストランや日本食品の輸入が大幅に増えている。日本食に関する平均的な知識はもはや『スシ』にとどまらない。ほぼどこの料理教室でも和食が学べるようになり、全国にミシュラン星付き日本食レストランがある。また、日本食ブームに加えて愛好家の間で日本酒への関心が高まったことで、これまで知名度の低かった日本酒の需要が近年著しく伸びている。

カルチャー面では、スペインには以前から日本の文学、マンガ、アニメの熱狂的なファンが存在し、しかもその数がコンスタントに増えていることから、安定した市場が築かれている。初期のブームが落ち着き、今や日本文学もコミックも世代を超えて認知、支持されるようになり、どの出版社も日本人作家の版権獲得に懸命である。また、文学やコミックのレベルにはまだ及ばないが、日本映画も徐々に市民権を獲得し始めており、最近では有名監督の最新作が映画館の上演スケジュールに組まれることが珍しくなくなった。

日本とスペインの共通点といえば、総延長距離が世界でもトップクラスの高速鉄道がまず挙げられる。その他、両国が投資プロジェクトや戦略的提携を共有する太陽光発電、食文化、スマートシティ開発に向けての取り組み等の共通点がある。

このように、スペインではテクノロジー、ガストロノミー、カルチャーが日本の認知度アップに貢献しており、この3分野には良いビジネスチャンスがある。充実したインフラとコミュニケーション、EUの健全な経済圏にあるスペインは、日本の投資家にとって安定した投資環境を提供している。

 

国際ビジネス部門

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